• Skip to primary navigation
  • Skip to main content
  • Skip to primary sidebar

会計士試験勉強まとめ

  • TOP

会社法における株式買取請求権の行使パターン全覧

2026年5月16日 by super-admin

会社法では、株主の利益を保護するため、特定の事由が発生した際に株主が会社に対して「株式を公正な価格で買い取れ」と請求できる権利(株式買取請求権)を認めています。主に「組織再編」、「定款変更・株式内容の変更」、「単元未満株・譲渡制限」の3つのカテゴリーに分類されます。


1. 組織再編等に伴う反対株主の株式買取請求権

会社の根幹に関わる重大な契約において、反対する株主に「投下資本の回収(会社からの退出)」の機会を与えるものです。

事由根拠条文概要
合併法785条 / 806条吸収合併・新設合併の際に、消滅会社および存続会社の反対株主が行使可能。
事業譲渡等法469条事業の全部譲渡、重要な一部の譲渡、子会社株式の譲渡(支配喪失時)などに反対する株主。
会社分割法785条 / 797条 / 806条吸収分割・新設分割における分割会社および承継会社の反対株主。
株式交換・株式移転法797条 / 806条完全子会社になる会社、完全親会社になる会社それぞれの反対株主。
株式交付法774条の7他社を子会社化するために自社株を交付する親会社側の反対株主。

※簡易組織再編の特例: 規模の小さい組織再編(相手方の資産が20%以下など)では、原則として買取請求権は発生しません。


2. 定款変更・株式内容の変更に伴う株式買取請求権

株主が保有している株式の「権利」や「性質」が大きく変わり、不利益を被る可能性がある場合に認められます。

① 株式の性質の変更(法116条1項1号)

  • 譲渡制限の設定:自由に売却できていた株式を、譲渡に会社の承認が必要な「譲渡制限株式」へ変更する場合。
  • 全部取得条項付種類株式への変更:会社が株主総会決議で強制的に全株取得できる仕組みを導入する場合。

② 株式の併合(法182条の4)

  • 株式併合の実施:複数の株式を1株にまとめる際、端数が発生する株主に限らず、併合によって持ち株数が減少する全ての反対株主に認められます。

③ 種類株主への損害(法116条1項2号)

  • 特定の種類株主に不利益な変更:複数の種類株式を発行している際、特定の種類の権利を縮小したり、他の種類を有利にする定款変更に反対する場合。

3. その他の特定の事由に伴う請求権

手続き上の必要性や、少数株主の保護を目的とした日常的な請求パターンです。

  • 単元未満株式の買取請求(法192条)
    • 1単元(100株等)に満たない端数株を持つ株主は、市場売却が困難なため、会社に対しいつでも時価での買い取りを請求できます。
  • 譲渡制限株式の譲渡承認拒絶(法140条)
    • 譲渡制限株式を他人に譲渡しようとして会社に否認された場合、「それなら会社が買い取れ」と請求できます。
  • 特別支配株主による売渡請求(法179条)
    • 90%以上の議決権を持つ株主が、残りの株主に対して強制的に「売り渡せ」と通知する手続きです(少数株主にとっては現金化の機会となります)。

株式買取請求権を行使するための基本要件

反対株主として請求を行うには、通常以下の手続きが必要です。

  1. 事前反対通知:株主総会前に、書面等でその決議に反対する旨を会社に伝える。
  2. 総会での反対:株主総会の当日、反対票を投じる。
  3. 期間内の行使:効力発生日の20日前から前日までの間に、会社へ正式な買取請求を行う。

※本内容は会社法に基づき作成されていますが、個別の案件については弁護士や司法書士等の専門家へご相談ください。

Filed Under: 未分類

Primary Sidebar