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会計士試験勉強まとめ

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【会社法】組織再編行為における対価一覧と特徴まとめ

2026年5月16日 by super-admin

日本の会社法では、M&Aやグループ内の組織再編を柔軟に行えるよう、対価の選択肢が広く認められています(いわゆる「対価の柔軟化」)。
各組織再編行為において「何が対価として使えるのか(単独交付の可否など)」を一覧表と実務上の留意点にまとめました。


1. 組織再編行為の対価一覧表

各手続きにおいて、対価として交付できるものの可否は以下の通りです。

組織再編行為親会社・存続会社の株式現金(キャッシュ)社債・新株予約権親会社の親会社株式(三角組織再編)
合併
(吸収・新設)
⭕
(基本形態)
⭕
(単独交付も可)
⭕
(単独交付も可)
⭕
(三角合併など)
会社分割
(吸収・新設)
⭕
(基本形態)
⭕
(単独交付も可)
⭕
(単独交付も可)
⭕
(三角会社分割など)
株式交換⭕
(基本形態)
⭕
(現金対価株式交換)
⭕
(単独交付も可)
⭕
(三角株式交換)
株式移転
※新設組織
⭕
(必須)
⚠️
(単独不可・株式と併用)
⚠️
(単独不可・株式と併用)
⭕
(三角株式移転)
株式交付
※子会社化
⭕
(必須)
⚠️
(単独不可・株式と併用)
⚠️
(単独不可・株式と併用)
❌
(制度上認められない)

2. 各組織再編における対価の特徴と実務上の留意点

① 合併・会社分割・株式交換(吸収型・既存会社への集約)

これらは、すでに対象となる法人(存続会社・承継会社・完全親会社)が存在している、または新設合併のように新会社を設立する手続きです。

  • 「一切の財産」が対価にできる
    会社法上、対価として「株式、社債、新株予約権、現金、その他一切の財産」を交付することが認められています。
  • 無対価(むたいか)組織再編も可能
    100%親会社と子会社の間の合併や会社分割など、株式を新たに交付しても持株比率や資産価値に変動がない場合は、あえて対価を交付しない「無対価」での手続きが実務上広く行われています。
  • スクイーズアウトへの応用
    株式交換の対価を「現金のみ」にすることで、少数株主に現金を渡して強制退場させる「現金対価株式交換」というスクイーズアウト手法が、M&Aの実務で多用されます。

② 株式移転(ホールディングス化・新設組織)

株式移転は、既存の会社の株主が、新しく設立する持株会社(完全親会社)に手持ちの株をすべて拠出する手続きです。

  • 新設会社の「株式」が絶対必須
    新しくできる会社に「株主(オーナー)」が存在しなくなってしまうのを防ぐため、対価として必ず新設会社の株式を一部含める必要があります。
  • 現金や社債は「抱き合わせ(併用)」なら可能
    「新設親会社の株式 + 現金」や「新設親会社の株式 + 社債」といった形であれば、株式以外の財産を混ぜて交付することが可能です。

③ 株式交付(2021年創設の新制度・子会社化)

株式交付は、他社を完全子会社(100%)ではなく、「議決権の過半数を持つ子会社」にするために自社株を対価として買い取る、日本版の株式交換とも言える制度です。

  • 自社株式の交付が絶対必須
    株式移転と同様に、対価として必ず「株式交付親会社の株式」を交付しなければなりません(法774条の3第1項)。現金のみで買い取る場合は、通常の「公開買付(TOB)や相対での株式譲渡」扱いとなり、株式交付のスキームは使えません。
  • 現金併用は可能(ただし税制面に注意)
    自社株と一緒に現金を渡す(抱き合わせ)ことは法的に可能ですが、対価に占める自社株の割合が80%未満になると、株主に譲渡損益課税が繰り延べられない(税制非適格になる)という実務上の大きな罠があるため、税務面の慎重な設計が必要です。
  • 三角組織再編(親会社の親会社株)は不可
    株式交付では、親会社の親会社株式(孫会社化するための対価)を交付する「三角株式交付」のような設計は法律上認められていません。

3. 実務における対価選びの視点

実務において対価を選択する際は、法律上の可否だけでなく「株主への課税関係(組織再編の税制適格・非適格)」や「自社の議決権(持株比率)を薄めたくないか」という視点が非常に重要になります。

  • 議決権を薄めたい(または買収資金がない): 親会社株式を対価にする
  • 議決権を維持したい(かつキャッシュがある): 現金を対価にする
  • 議決権を維持したい(がキャッシュを温存したい): 社債を対価にする

経営陣の意図や財務状況、また組織再編後に目指すグループ体制に合わせて、最適な対価が選択されます。


※本内容は会社法に基づき作成されていますが、実際の組織再編の実務においては、税務・会計上の適格要件等も含めて弁護士や公認会計士、税理士等の専門家へご相談ください。

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