日本の会社法(特に株式会社)において規定されている「機関」は、全部で10種類あります。
会社法上の「機関」とは、会社の意思決定を行ったり、業務を執行したり、それらを監督・監査したりする、独立した地位・機能を持つポジションや会議体のことです。
ここでは、すべての機関の概要と、それぞれの主な役割を一覧表で分かりやすく解説します。
株式会社の機関一覧(全10種)
| 機関名 | 主な役割・機能 |
|---|---|
| 1. 株主総会 | 会社の最高意思決定機関。すべての株式会社に必ず設置されます。会社の基本方針や役員の選任などを決定します。 |
| 2. 取締役 | 会社の業務執行を行う個人。すべての株式会社に必ず1人以上必要です。 |
| 3. 取締役会 | 3人以上の取締役で構成される会議体。会社の業務執行の決定や、取締役の監督を行います。 |
| 4. 会計参与 | 取締役(または執行役)と共同して、計算書類(財務諸表)を作成する専門職(公認会計士、税理士、または税理士法人など)。 |
| 5. 監査役 | 取締役の業務執行や会計を監査(チェック)する個人。 |
| 6. 監査役会 | 3人以上の監査役で構成される会議体。監査の方針などを決めます(半数以上は社外監査役である必要があります)。 |
| 7. 会計監査人 | 会社の計算書類を外部の立場から監査する会計の専門家(公認会計士または監査法人)。大会社などでは設置が義務づけられています。 |
| 8. 執行役 | 「指名委員会等設置会社」において、取締役会から委任を受けて実際の業務執行を担当する役職。 |
| 9. 委員会 | 「指名委員会等設置会社」に設置される、取締役で構成される3つの委員会(指名委員会・監査委員会・報酬委員会)。 |
| 10. 監査等委員会 | 「監査等委員会設置会社」に設置される、3人以上の取締役(過半数は社外取締役)で構成される委員会。監査役の代わりに取締役の職務執行を監査します。 |
機関設置の基本ルール
株式会社を設立・運営するにあたり、これらの機関は自由に組み合わせられるわけではなく、一定のルールが存在します。
- 必須の機関
すべての株式会社で絶対に省略できないのは「株主総会」と「取締役(1人以上)」だけです。 - 規模や公開性による義務
会社の規模(大会社か否か)や、公開会社(株式の譲渡制限がない会社)か否かによって、取締役会の設置が義務づけられたり、監査役や会計監査人の設置が必要になったりします。 - ガバナンス形態の選択
従来の「監査役会設置会社」のほか、アメリカ型の「指名委員会等設置会社」、その中間的な「監査等委員会設置会社」など、どの機関設計を採用するかによって、選べる機関の組み合わせが決まります。