会社法における指名委員会等設置会社と監査等委員会設置会社では、各委員(取締役)の「選任期間(任期)」および「選任機関(どこが選ぶのか)」に以下のような違いがあります。
1. 指名委員会等設置会社
経営の「監督」と「執行」を完全に分離しているため、取締役の任期は短く設定されており、委員の選定は取締役会が行います。
- 取締役(各委員のベース)
- 選任期間(任期): 原則1年(定款でさらに短縮可能、伸長は不可)
- 選任機関: 株主総会(ただし、株主総会に提出する選任案は「指名委員会」が決定します)
- 各委員(指名・監査・報酬委員会)
- 選任期間(任期): 取締役の任期満了(1年)に伴い自動的に終了
- 選任機関: 取締役会(株主総会で選ばれた取締役の中から、取締役会決議によって選定されます)
2. 監査等委員会設置会社
監査等委員である取締役の独立性を高めるため、他の取締役とは「選任期間(任期)」も「株主総会での議案(選任機関)」も明確に区別されます。
- 監査等委員である取締役
- 選任期間(任期): 2年(定款による短縮も伸長も不可の強制規定)
- 選任機関: 株主総会(他の取締役とは別議案として決議)
- 監査等委員以外の取締役
- 選任期間(任期): 原則1年(定款でさらに短縮可能、伸長は不可)
- 選任機関: 株主総会(通常の取締役選任決議)
3. 比較まとめ表
| 機関設計 | 対象・役職 | 選任期間(原則任期) | 最終的な選任機関 |
|---|---|---|---|
| 指名委員会等設置会社 | 取締役 | 1年(短縮可・伸長不可) | 株主総会 |
| 各委員(指名/監査/報酬) | 取締役の任期に連動 | 取締役会 | |
| 監査等委員会設置会社 | 監査等委員である取締役 | 2年(短縮不可・伸長不可) | 株主総会(※別議案) |
| 監査等委員以外の取締役 | 1年(短縮可・伸長不可) | 株主総会 |
実務上のポイント
- 指名委員会等設置会社は、すべての取締役が1年ごとに株主の信任を受け、その中から取締役会が各委員を割り当てます。
- 監査等委員会設置会社は、監査の独立性を担保するために監査等委員の任期を2年に固定し、株主総会の段階から他の取締役とは完全に枠を分けて直接選出します。