• Skip to primary navigation
  • Skip to main content
  • Skip to primary sidebar

会計士試験勉強まとめ

  • TOP

会社法の組織再編における承認機関まとめ

2026年5月17日 by super-admin

会社法における組織再編(合併、会社分割、株式交換、株式移転、株式交付)では、会社の基礎的な構造が大きく変わるため、原則として株主総会の特別決議による事前承認が必要です。ただし、手続きの簡素化・迅速化のために、例外的な緩和措置(簡易組織再編・略式組織再編)が設けられています。

それぞれの手続きにおける承認機関と例外ルールについて整理します。


1. 原則:株主総会の特別決議

組織再編を行う当事会社(消滅会社、存続会社、分割会社、承継会社など)は、効力発生日の前日までに、原則として株主総会の特別決議によって組織再編契約(または計画)の承認を受けなければなりません。

  • 決議要件: 行使できる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成(会社法309条2項11号〜14号)。

2. 例外①:略式組織再編(株主総会の省略)

組織再編の当事会社の一方が、他方の会社の議決権の90%以上(特別支配会社)を保有している場合、支配されている側(子会社側)の株主総会決議を省略することができます。大勢が決しているため、総会を開くコストを省く趣旨です。

  • 承認機関: 取締役会(または取締役の過半数の一致)の決議
  • 適用関係:
  • 子会社側(消滅会社・分割会社・株式交換完全子会社など): 原則として株主総会を省略可能。
  • 親会社側(存続会社・承継会社・株式交換完全親会社など): 原則通り、親会社側では株主総会が必要です(後述の簡易組織再編に該当しない限り)。
  • ※例外(略式が使えないケース): 子会社が公開会社かつ不公開会社であり、対価として「譲渡制限株式」を交付する場合など、株主に不利益が及ぶ特定のケースでは省略できません。

3. 例外②:簡易組織再編(株主総会の省略)

組織再編の規模が、その会社にとって極めて小さい場合(小規模なM&Aなど)、その会社側の株主総会決議を省略することができます。

  • 基準: 組織再編によって交付する対価(財産)の帳簿価額の合計額が、その会社の純資産額の5分の1(20%)以下である場合(定款でこれを下回る割合を定めている場合はその割合)。
  • 承認機関: 取締役会(または取締役の過半数の一致)の決議
  • 適用関係:
  • 存続会社・承継会社・完全親会社(受け入れる側): 支払う対価が純資産の20%以下であれば省略可。
  • 分割会社(出す側): 分割する資産が自身の総資産の20%以下であれば省略可。
  • ※例外(簡易が使えないケース):
  • 消滅会社・完全子会社(なくなる側): 規模に関わらず、会社が消滅・完全子会社化するため簡易組織再編の適用はありません(常に株主総会が必要)。
  • 差損が生じる場合: 存続会社等が交付する対価の額が、受け入れる純資産額を超える場合(いわゆる「のれん」ではなく、純資産自体がマイナスになるようなケース)。
  • 反対株主の通知: 簡易組織再編に反対する株主が、一定数(議決権の6分の1など)を超えた場合、原則通りの株主総会が必要になります。

4. 組織再編別の承認機関まとめ一覧

組織再編の形態当事会社原則(株主総会)略式(9割支配)簡易(20%以下)
吸収合併消滅会社(消える)特別決議○ 省略可× 適用なし
存続会社(残る)特別決議× 適用なし(親会社側)○ 省略可
新設合併消滅する全会社特別決議× 適用なし× 適用なし
吸収分割分割会社(出す)特別決議○ 省略可○ 省略可(※総資産の2割以下)
承継会社(受ける)特別決議× 適用なし(親会社側)○ 省略可
新設分割分割会社(出す)特別決議× 適用なし○ 省略可(※総資産の2割以下)
株式交換完全子会社(買われる)特別決議○ 省略可× 適用なし
完全親会社(買う)特別決議× 適用なし(親会社側)○ 省略可
株式移転完全子会社となる会社特別決議× 適用なし× 適用なし
株式交付親会社となる会社特別決議× 適用なし(親会社側)○ 省略可

実務上の留意点

  • 新設型(新設合併・新設分割・株式移転)の留意点:
    新設型は、これから作る会社が相手方となるため、「相手方に9割支配されている」という関係性が事前に成立せず、略式組織再編は使えません(新設分割の分割会社のみ、例外的に簡易が使えます)。
  • 株式交付の留意点:
    株式交付は子会社化する「親会社側」のみの法的手続きであるため、対象となる子会社側での会社法上の組織再編決議(株主総会)は不要です(子会社株主が個別に売却を判断するため)。

Filed Under: 未分類

Primary Sidebar