会社法における「社外取締役」と「社外監査役」の人数要件は、会社の機関設計(組織の形態)によって以下のように定められています。
条文上の表現である「半数以上(その数を含む)」と「過半数(半分を超える数)」の違いに注意が必要です。
1. 監査役会設置会社(大会社かつ公開会社)
従来の多くの企業が採用している、取締役会と監査役会が並列で存在する形態です。
- 社外取締役:1名以上
- 根拠条文: 会社法第327条の2
- 内容: 大会社かつ公開会社である有価証券報告書提出義務のある会社に対し、最低1名以上の設置を義務付けています。
- 社外監査役:半数以上(最低2名以上)
- 根拠条文: 会社法第335条第3項
- 内容: 監査役会は3名以上で構成する必要があり、その半数以上を社外監査役としなければなりません。
- 人数の例: 監査役が最低人数の3名であれば半数以上(1.5名以上)となるため2名、監査役が4名であれば半数以上(2.0名以上)となるため2名の社外監査役が必要です。
2. 監査等委員会設置会社
取締役会の内部に「監査等委員会」を置く形態です。この形態には「監査役」という役職自体が存在しません。
- 社外取締役:過半数(最低2名以上)
- 根拠条文: 会社法第331条第6項
- 内容: 監査等委員会を構成する「監査等委員である取締役」は3名以上必要であり、その過半数(半分を超える数)が社外取締役でなければなりません。
- 人数の例: 委員が最低人数の3名であれば過半数(1.5名超)となるため2名、委員が4名であれば過半数(2.0名超)となるため3名の社外取締役が必要です。
- 社外監査役:0名(設置なし)
3. 指名委員会等設置会社
取締役会の内部に「指名」「監査」「報酬」の3つの委員会を置く形態です。この形態にも「監査役」という役職は存在しません。
- 社外取締役:各委員会ごとに過半数(それぞれ最低2名以上)
- 根拠条文: 会社法第400条第3項
- 内容: 「指名」「監査」「報酬」の各委員会は、それぞれ3名以上の取締役で構成し、その過半数(半分を超える数)が社外取締役でなければなりません。各委員会に最低2名ずつの社外取締役を組み込む必要があります(委員の兼任は可能です)。
- 社外監査役:0名(設置なし)
要件一覧表
| 機関設計 | 社外取締役の人数要件 | 社外監査役の人数要件 |
|---|---|---|
| 監査役会設置会社 (大会社・公開会社) | 1名以上 (法327条の2) | 監査役会の半数以上 (最低2名以上 / 法335条3項) |
| 監査等委員会設置会社 | 監査等委員の過半数 (最低2名以上 / 法331条6項) | なし(役職自体が存在しない) |
| 指名委員会等設置会社 | 各委員会の過半数 (各委員会最低2名以上 / 法400条3項) | なし(役職自体が存在しない) |