結論から言うと、原則として株主が直接「取締役会の招集」を請求することはできません。
取締役会の招集権者は、原則として「各取締役」と定められているためです(会社法366条1項)。
ただし、会社のガバナンスを維持するため、一定の要件を満たす場合に限り、例外的に株主による招集請求や、株主自身による招集が認められています。
具体的なルールと例外は以下の通りです。
1. 原則:株主から直接の招集請求は不可
取締役会の招集は、取締役が業務執行の監督や意思決定を行うための内部手続きであるため、株主が直接「取締役会を開け」と請求するルートは原則として用意されていません。
2. 例外:株主による招集請求が認められるケース(会社法367条)
「監査役」がいない会社(※)において、取締役が会社の目的の範囲外の行為や、法令・定款に違反する行為をする恐れ(不当行為)があるときは、株主は取締役会の招集を請求できます。
※監査役設置会社、監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社以外の会社
■ 保有株式数の制限(株主資格)
- 公開会社: 6ヶ月前から引き続き、総株主の議決権の100分の3(3%)以上、または発行済株式数の3%以上を保有する株主
- 非公開会社(譲渡制限会社): 保有期間の制限はなく、3%以上を保有していれば請求可能
■ 手続きの流れ
- 招集の請求:要件を満たす株主が、招集権者(または各取締役)に対して取締役会の招集を請求する。
- 不発信の場合:請求から5日以内に、請求の日から14日以内の日にちを会日(開催日)とする取締役会の招集通知が発せられない場合。
- 株主による招集:その請求をした株主が、自ら取締役会を招集することができる。
3. その他の実務的なアプローチ
もし上記の「違法行為の恐れ」といった厳しい要件を満たさない(単に経営方針を議論させたいなど)場合、株主は以下の手段を取るのが一般的です。
- 株主総会の招集請求(会社法297条)
総株主の議決権の3%以上を保有する株主は、取締役に対して「株主総会」の招集を請求できます。そこで取締役の解任や、経営方針に関する議案を諮ることで、間接的に取締役会を動かす(あるいは牽制する)ことが可能です。 - 取締役への働きかけ
自身の方針に親しい取締役(または社外取締役)を通じて、その取締役が持つ招集権(366条)を行使してもらい、取締役会を開催させるようアプローチします。