• Skip to primary navigation
  • Skip to main content
  • Skip to primary sidebar

会計士試験勉強まとめ

  • TOP

商法の「擬制商人」とは?定義・具体例・存在理由をわかりやすく解説

2026年5月22日 by super-admin

商法における擬制商人(ぎせいしょうにん)とは、商法第4条第2項に規定されているもので、「店舗その他これに類する設備によって物品を販売することを業とする者」または「鉱業を営む者」を指します。

本来、商法上の「商人」は、商法が定める特定の営利行為(仕入れた商品の販売など)を行う人を指しますが(固有の商人)、擬制商人はこれらの行為を行っていなくても、その設備や形態が商人と変わらないため、商法上の商人として扱われます(=商人とみなされる)。


1. 擬制商人の2つの要件

商法上、以下のいずれかに該当する者が擬制商人と定義されています。

① 店舗その他これに類する設備によって物品を販売することを業とする者

店舗などの設備を構えて、そこで物を売っている人です。

  • ポイント: ここで売られている「物品」は、商行為に当たらないものです。例えば、自分で栽培した農産物や、自分で川から釣ってきた魚などを店舗で売る行為がこれに該当します。
  • なぜ擬制商人なのか: 安く仕入れて高く売る(原始取得でない)行為はもともと商行為ですが、自分がゼロから作った農産物を直接売る行為は、本来は「商行為」には当たりません。しかし、立派な店舗を構えて年中無休で販売している姿は、客観的に見れば一般の小売店(商人)と全く区別がつきません。そのため、商法を適用して取引の安全を図る必要があります。

② 鉱業を営む者

鉱物などを掘り出す事業を行う者です。

  • なぜ擬制商人なのか: 地球の資源を掘り出す行為自体は、原始的な採取活動であり、法律的には「商行為」に分類されません。しかし、鉱業は莫大な資金を動かし、大規模な組織で運営されるのが通常です。実態は完全に大企業(ビジネス)であるため、商法のルールを適用するのが合理的とされています。

2. 具体例で見る「固有の商人」との違い

分類行為の内容商法上の扱い
固有の商人
(商法4条1項)
他の業者から服を仕入れて、店舗で一般客に売る。当然に商人
(売買目的の仕入れ=商行為だから)
擬制商人
(商法4条2項)
自分の畑で採れた野菜を、ロードサイドに直売所(店舗設備)を建てて継続的に売る。擬制商人
(自作農産物の販売は商行為ではないが、店舗を構えているため)
商人ではない自分の畑で採れた野菜を、たまたま余ったからと近所の人に庭先で手渡しで分ける。非商人
(店舗なし・営業ではないため民法が適用される)

3. なぜ「擬制」してまで商人に変えるのか?(存在理由)

最大の理由は「取引相手の保護(取引の安全)」と「ビジネスの実態への適合」です。

外見から見れば、立派な店舗を構えて商売をしている人はどう見ても「ビジネスマン(商人)」です。それなのに、トラブルが起きた際に「いや、これは私が自分で作った野菜なので、私は商人ではありません。商法の厳しいルールではなく、普通の民法を適用してください」と言い逃れができてしまうと、買い手や取引先が不利益を被ってしまいます。

擬制商人と認められることで、その人には商法が適用され、以下のような商人としての義務やルールが課されることになります。

  • 商号(屋号)の登録や使用に関するルール
  • 商業帳簿(会計帳簿)の作成義務
  • 商業登記の義務
  • 取引における迅速な責任追及(商事消滅時効や、商人間であれば目的物の検査・通知義務など)

このように、「見た目が商人であり、やっていることもビジネスなのだから、法律上も商人として扱いましょう」というのが擬制商人の仕組みです。

Filed Under: 未分類

Primary Sidebar