吸収合併や株式交換において、対価として「持分会社の持分(合同会社の社員権など)」を交付する場合、「責任が重くなる側の会社の株主」全員の同意が必要です。
| 手続きの種類 | 全員同意が必要な会社 | 理由 |
|---|---|---|
| 吸収合併 | 消滅会社(なくなる側) | 消滅会社の株主が、合併後に存続会社の「社員」となり、重い責任を負う可能性があるため。 |
| 株式交換 | 完全子会社(買収される側) | 子会社の株主が、交換後に親会社の「社員」となり、重い責任を負う可能性があるため。 |
ポイント
- 存続会社(または親会社)側の株主は、通常通りの「特別決議」で足ります。なぜなら、自分たちの会社の形態が変わるわけではなく、責任範囲も変わらないからです。
- この規定(会社法783条2項など)は、「勝手に無限責任社員にされるのを防ぐ」ための強力な防波堤となっています。
【重要】「総株主の同意」が必要な正確なシチュエーション
「消滅会社が持分会社だから全員同意が必要」なのではなく、「消滅する株式会社の株主が、合併によって持分会社の社員にされてしまう」ときに、その株式会社側で全員同意が必要になります。
成立要件の整理
- 消滅会社(または完全子会社)が「株式会社」であること。
- 対価として「存続会社(または親会社)の持分」が交付されること。
- ※存続会社が合同会社などの「持分会社」である場合にこのケースが発生します。
なぜ「株式会社」側で全員同意が必要なのか?
株式会社の株主は、出資額以上の責任を負わない「有限責任」です。一方、持分会社(特に合名・合資会社)の社員になると、会社の債務に対して個人の財産で責任を負う「無限責任」や「直接責任」が生じる可能性があります。
「勝手にそんなリスクを負わせることはできない」ため、多数決ではなく株主一人ひとりの承諾(全員同意)が必要とされています。