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会計士試験勉強まとめ

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取締役会による競業避止義務「承認あり」と「承認なし」の3つの違い

2026年5月15日 by super-admin

取締役会による事前の承認は、競業取引を「適法に開始するため」の手続きに過ぎません。承認の「ある場合」と「ない場合」では、万が一会社に損害が出た際の法的リスクや裁判での戦い方が大きく異なります。

主要な3つの違いは以下の通りです。

比較項目承認がある場合承認がない場合(未承認)
1. 取引そのものの適法性適法(手続き上はセーフ)違法(手続き違反で一発アウト)
2. 裁判での立証責任の所在会社側が取締役の「過失」を証明する取締役側の過失が推定(言い訳不可)
3. 発覚時の追加リスク事後の報告義務のみ(法365条2項)取締役の解任事由・差止請求の対象

1. 取引そのものの「適法性」の違い

そもそも承認がない状態での競業取引は、その時点で会社法に直接違反する任務懈怠(にんむかいたい)となります。

  • 承認がある場合:
    会社から「そのビジネスを行ってもよい」という許可を得ているため、取引を開始すること自体は適法です。結果として会社に不利益を与えなければ、法的に問題視されることはありません。
  • 承認がない場合:
    取引を行った時点で「忠実義務・善管注意義務違反」が確定します。会社に具体的な損害が発生していなくても、手続き違反としての責任を問われます。

2. 損害が発生したときの「立証責任」の違い

競業取引によって会社に損害が生じ、株主代表訴訟などの裁判に発展した場合、どちらが不利な状況からスタートするかが激変します。

  • 承認がある場合(取締役側に反論の余地あり):
    手続きは適法に行われているため、訴えた会社(または株主)側が「この取締役には善管注意義務違反(過失)があった」という事実を具体的に証明しなければなりません。取締役側は「会社に損害を与えないよう、最善を尽くしていた」と弁明する余地が残されています。
  • 承認がない場合(取締役側は即死リスク):
    無断で取引を行った時点で任務懈怠が確定しているため、会社側は取締役の過失を証明する必要がありません。「無断で競業をやった事実」と「会社に損害が出た事実」さえ証明されれば、取締役側は「過失はなかった」という言い訳(抗弁)が一切通用しなくなります。

3. 事後リスクと開示義務の違い

取締役会のコントロールを維持するため、会社法では取引の「後」についても厳格に規定しています。

  • 承認がある場合:
    取引が成立した後、遅滞なくその競業取引の重要な事実(具体的な取引内容や利益額など)を取締役会に報告する義務があります(会社法第365条2項)。
  • 承認がない場合:
    会社に無断で進めているため、報告義務違反以前の問題となります。競業の事実が発覚した時点で、会社から取引の差止請求(会社法第360条)を受けたり、不誠実な行為として取締役を解任される正当な事由になります。

まとめ

取締役会の承認は、競業取引を行う上での「最低限のシールド(盾)」です。

承認があれば、誠実にビジネスを行っている限り守られますが、承認がなければ、会社に損害を与えた時点で言い訳無用で全額の損害賠償責任を負うことになります。また、「承認があっても、会社の顧客やノウハウを不当に奪って損害を出せば免責されない」という点には一貫して注意が必要です。

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